日本公認会計士協会 準会員会

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第19回 「第1回座談会 ~公認会計士として広がる活躍のフィールド~」

 2007年度公認会計士試験合格者のみなさま、合格おめでとうございます。会計士補会幹事一同、心からお祝い申し上げます。そして昨年度以前の合格者の皆様は、合格当時の高いモチベーションを維持して仕事に励んでいますでしょうか?正直なところ、筆者も日々の業務に追われ、合格当時の目標を見失う日々が続いていました。今回は、そんな筆者に合格当初の目標を思い出させてくれた企画を皆様にご紹介したいと思います。

 去る12月8日、「第1回座談会 ~公認会計士として広がる活躍のフィールド~」というパネルディスカッション形式の座談会が開催されました。我々会計士補会では講演会や異業種交流会など、大人数の企画は行ってきましたが、少人数が交流し、意見交換できる企画がないことに気づきました。また、私たち幹事は講演会やJIJAジャーナルの発行を通じ、幅広く活躍される会計士や大学教授の方々とお会いするたびに、何度もインスパイアされてきました。このような体験をぜひ準会員の皆様に提供したい!と意気込んだ幹事が立ち上げた企画が、座談会でした。

 ゲストパネラーは3名、いずれも異なる世界で、しかし「会計」という共通スキルを用いて活躍されている方々です。
  まず、内部統制をはじめとした、リスクコンサルティング分野で活躍される姫野さん。姫野さんは監査法人に 20 年も勤務されての転職で、監査法人を外から見た印象、監査のおもしろさ、転職後の監査スキルの生かし方などについて具体的にお話をしてくださいました。私を含め、監査法人のスタッフが社員クラスの方に「監査のおもしろさ」を直接伺えるチャンスはあまりなかったと思います。広い視野を持つこと、クライアントの話を聞くこと、それらを加味したクライアントの経済活動の結果が数字になることを改めて気づかされました。
  嶋田さんは監査法人勤務後、独立して会計事務所を開業されました。「監査法人時代はもちろん、独立すると勉強の必要性がより高まる」とのお話に、私たち参加者一同、勉強の必要性を再確認しました。また、独立すると営業はどうするのか、仕事はあるのか、との質問には「特に目立った営業はしていない」とのことでした。参加された方には実感いただけたと思いますが、それは嶋田さんの明るく、前向きな性格が大きく貢献していると強く感じました。

  そして香港出身のヴィヴィアンさん。U K CPA資格をお持ちで、今までには外部監査人、内部監査人、講師業や有名IT企業のコントローラーを経験し、現在は人事コンサルタントをされています。ヴィヴィアンさんの多彩な経歴は、会計スキルが世界中で必要とされていることを実証してくれました。また、「仕事を選ぶポイントは、給料や国ではなく、いかに自分が学習、成長できるか」とのお話がとても心に残りました。

 参加者アンケートの満足度もほぼ 100 %に近い結果となりました。参加者の方からは「お三方とも独立、転職にあたって将来的にどうなるかという不安があまりなかったというのが印象的だった」「責任の重い仕事であっても楽観的になることが重要だと思う」「しっかり仕事をこなし、人脈も広げていけば良いチャンスが多くなるのかもしれない。人とのつながりが重要だと感じた」などのご感想をいただきました。

 ゲストパネラーのお三方は「監査や仕事のおもしろさは3、4年目から」と共通しておっしゃっていました。試験に合格して間もない私たちの仕事は、試験勉強中に思い描いていたスペシャリストの仕事とは異なっているかもしれません。しかし、今回の座談会に参加された方は、監査スキルの生かし方や勉強の必要性を再確認し、よりモチベーションが上がったことと思います。
  監査や会計士に求められる役割は拡大していきます。また、試験合格者の人数増加に伴い、より個性的で強みを持った会計士が求められていくことでしょう。「公認会計士」になるまでの数年間はあっと言う間に過ぎてしまうと思いますが、専門性の高い、社会から必要とされる公認会計士が増えることを祈って、今後の士補会活動を行いたいと思っています。もちろん筆者自身も、今年こそは勉強の1年にすることを宣言します!

(文責;山崎恵美)

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