『元世界銀行副総裁 柏谷光司氏講演会』~世界から見る日本の現在未来と若手会計士の可能性~
準会員近畿分会活動報告
『元世界銀行副総裁 柏谷光司氏講演会』
~世界から見る日本の現在未来と若手会計士の可能性~
準会員会 近畿分会
幹事 岸 千晶
はじめに
準会員会近畿分会では、平成25年7月7日に『元世界銀行副総裁 柏谷光司氏講演会』~世界から見る日本の現在未来と若手会計士の可能性~と題して、講演会を開催いたしました。当講演会では、元世界銀行副総裁の柏谷光司氏をお招きし、グローバルな視点から日本経済の動向についてお話しいただきました。
講演内容
講演内容は、「アベノミクス」について、下記3項目の流れで進行されました。
Ⅰ.デフレの実態
「アベノミクス」の最大の目的は、1989年の不動産バブル後の20年以上にわたるデフレからの脱却です。ここで、我が国はなぜデフレに陥ってしまったのかをお話しいただきました。
Ⅱ.アベノミクスの概要
安倍首相が打ち出したデフレ対策である、①「大胆な金融政策」②「機動的な財政政策」③「民間投資を喚起する成長戦略」の3本の矢の総合政策について解説いただきました。また、小泉首相の構造改革との違いや、成長戦略を実行する上での政府・民間の役割及び位置づけ、「アベノミクス」の追い風となるシェール革命についても触れていただきました。
Ⅲ.今後の見通し―実現可能性
「アベノミクス」の実現可能性についてお話しいただくとともに、円安という経済状況は、自動的に国際競争力が生まれ、輸出増加、生産増に伴う収益・投資・雇用の拡大による消費の増加、税収増という良きスパイラルが生じるため、日本にとって重要であることをお話しいただきました。長期にわたる大規模な経済是正は、過去の歴史において、戦争軍需を伴うようなものはありますが、平時で成功した例は少ないため、「アベノミクス」について、世界的な注目があることを述べられました。
最後に
本講演会においては、講演中に、柏谷氏が参加者の方に質問を投げかけられ、参加者の方々と経済について議論する場面が多々あり、講師・参加者の方々すべてが一体となって講演会が進行された点が、非常に印象的でした。日本の経済状況を把握するためには、常に視野を広げて情報を収集・理解し、関連諸国との関係性を意識する必要性があることを実感しました。
最後になりましたが、今回ご講演いただいた柏谷光司氏をはじめ、講演会開催にあたってご協力頂いた皆様に、準会員会幹事一同厚く御礼申し上げます。